アパートの物件調査で失敗しないために!内見時に必ずチェックすべきポイントとは?

物件購入

こんにちは!
築古アパートが大好きなむさしです。

物件購入を検討する際、現地を訪れて物件を調査する「内見」はとても重要です。

内見を適当に済ませてしまうと、購入後に思わぬ修繕費が発生したり、取り返しのつかない瑕疵を発見したりなど、大きなリスクを抱える可能性があります。

今回は「内見時にどのようなポイントをチェックすべきか」を具体的にお伝えします。

初めて内見する方でもわかりやすいように、重要な観点をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!


物件調査の目的とは?

まずは、物件調査の目的を整理しておきましょう。物件を内見する目的は以下の4つです。

物件調査の目的
 ・重大な欠陥がないか確認する
 ・隠れた瑕疵がないか確認する
 ・入居が見込めるかどうか見極める
 ・指値交渉の材料を見つける

不動産は一度購入してしまうと、簡単に手放すことはできません。
そのため、まずは傾きの有無や違法建築でないかなど、物件の運営や売却において致命的な欠陥がないかを確認する必要があります。

そしてその次のステップとして、アパート経営が問題なく行えるかどうかを見極めるため、隠れた瑕疵の有無や入居付けのしやすさについてもしっかりと確認・判断します。

これらを調査する中で、ネガティブな要因が見つかった場合、それを指値交渉の材料として活用することができます。

いざ購入するときに、ただ「200万円の指値します」と言うのと、物件をしっかり調査した上で「この部分の修繕が将来的にこれだけ必要になると見込まれるので、200万円の指値をします」と具体的に説明するのとでは、売主の納得感が大きく異なりそうですよね。

ですので、購入後に後悔しないためはもちろん、交渉材料を探すためにも物件調査は非常に重要です。
(ただし、粗探しばかりすると売主の心象が悪くなってしまうので、交渉はほどほどにしましょう!笑)


内見時にチェックすべき項目

内見では物件の外観から内装、そして法令違反の有無まで幅広く確認する必要があります。

以下にチェックリストをまとめました。

解説しますので、それぞれのポイントを見ていきましょう。


カテゴリ観点チェック項目ポイント
周辺環境入居の見込近くの幹線道路車通りが多いと良い
スーパーなどの有無生活環境に影響
工業地帯の有無大手企業がいると安心
周辺アパートの状況数や空室状況の確認
外観重大な欠陥鉄骨階段腐食や劣化がないか
基礎ひび割れや沈下の有無
隠れた瑕疵外壁チョーキングの有無
屋根苔や日焼けの有無
雨どい詰まりや破損の有無
郵便ポストチラシの溜まり具合
ゴミ捨て場ゴミの溜まり具合
入居の見込駐車場「駐車場 ≧ 世帯数」か
法令違反重大な欠陥接道・道路幅員接道2m、幅員4m
隠れた瑕疵境界境界杭、越境の有無
内装重大な欠陥ドアの開閉歪みがないか
隠れた瑕疵天井・クロスのシミ雨漏りの痕跡有無
屋根裏雨漏りの痕跡有無
入居の見込風呂・トイレ別々になっているか
キッチン清潔かどうか
和室の有無和室は基本、不人気
ベランダ物干し竿の有無
洗濯機置き場屋外設置だと不利

周辺環境のチェック

周辺環境に関するチェック項目は、以下の通りです。

カテゴリ観点チェック項目ポイント
周辺環境入居の見込近くの幹線道路車通りが多いと良い
スーパーなどの有無生活環境に影響
工業地帯の有無大手企業がいると安心
周辺アパートの状況数や空室状況の確認

ここではエリア特性や入居の需要を掴むことが大事なので、それぞれのチェック項目について見ていきましょう。

近くの幹線道路

車通りが多いということは、そのエリアが栄えている証拠でもあります。

そのため、物件に向かう途中でどれくらい車通りがあるのか、どんなお店が並んでいるのかを確認しておくと良いでしょう。

また、物件の近くに幹線道路がない場合は若干のマイナス要因として評価しますが、そこまでクリティカルな項目ではありません他の条件が良ければ問題ないと判断しています。

スーパーなどの有無

周辺にスーパーやコンビニがあるかどうかで、入居者の日常生活の利便性が大きく変わります。

徒歩圏内にあると大きなプラス要因です

生活必需品を買いに行く際に便利であることは、入居者にとって魅力的なポイントとなります。

工業地帯の有無

工業地帯がある、ということは産業や雇用があるということです。

特に大手企業の工場が入っていると入居の需要もそれなりに見込めるので、安心材料になります。

周辺アパートの状況

物件近くにどれだけアパートがあるか、そして入居状況がどうなっているかも必ず確認しましょう。

他のアパートの入居状況は直接調べることが難しいため、ベランダに干してある洗濯物の有無などを観察して、ある程度の推測を行います。

もし空室が目立つようであれば、入居需要が低い、またはアパートの供給過剰が予想されるため注意が必要です。

外観チェック

物件の外観は、その物件がどの程度メンテナンスされているかを判断するための大きなポイントです。外観から分かる致命的な欠陥や隠れた瑕疵をしっかり確認しておきましょう。

カテゴリ観点チェック項目ポイント
外観重大な欠陥鉄骨階段腐食や劣化がないか
基礎ひび割れや沈下の有無
隠れた瑕疵外壁チョーキングの有無
屋根苔や日焼けの有無
雨どい詰まりや破損の有無
郵便ポストチラシの溜まり具合
ゴミ捨て場ゴミの溜まり具合

鉄骨階段

鉄骨階段は築古アパートでは劣化が見られやすい箇所です。
錆びや腐食が進行していないかを必ず確認しましょう。

もし腐食が進んでいて、崩落の危険性が懸念されるときは、修繕に多額の費用がかかることが予想されます。その場合は潔く諦めるのも一つの手です。


基礎

基礎にひび割れや地盤沈下の兆候があるかを確認します。

小さなひび割れは割と普通にあるものなので、そこまで気にする必要はありません。
基礎本体でなく、表面のモルタルがひび割れているだけの場合もあるからです。

ただ幅0.3ミリ以上、深さ4ミリ以上のクラックがある場合は、要注意と言われています。

基礎が劣化している場合、地盤沈下などの影響もあるかもしれないので、見逃さないようにしましょう。


外壁

外壁の状態を見て、チョーキング(白い粉が手につく現象)が発生しているかを確認します。
チョーキングは塗装の劣化を示すサインであり、修繕が必要な可能性があります。

なお一般的に外壁塗装の耐用年数は10~20年程度、費用は数百万円単位になります。
チョーキングがあれば近い将来、外壁塗装が必要になる可能性があるので、その点も含めて確認しましょう。


屋根

屋根の苔や日焼けの有無を確認し、雨漏りのリスクがないかを判断します。

物件近くからだと屋根は確認できないので、少し距離を置いて、遠くから屋根の状態を確認しましょう。劣化が激しい場合は、屋根塗装が必要になります。

屋根塗装は外壁塗装と同時に行われることが大半なので、それも踏まえて確認を行います。

雨どい

雨どいが詰まっていたり破損していたりする場合は、雨水が適切に排水されず、雨漏りや外壁の劣化を引き起こす可能性があります。

修繕の際には足場を組む必要があり、意外と費用が掛かりますので注意しましょう。


郵便ポスト

郵便ポストを確認することで、物件が現在どのように使用されているかが分かります。
不要なチラシが溜まっている場合、管理が行き届いていなかったり、入居者の質が良くない可能性があります。


ゴミ捨て場

こちらも郵便ポストと同様、管理や入居者の質を測るために確認します。

清掃が行き届いているか、ゴミが溜まっていないかを確認しましょう。


法令違反チェック

法令違反がある物件は、後々大きなトラブルに発展するリスクがあるため、必ず確認が必要です。

カテゴリ観点チェック項目ポイント
法令違反重大な欠陥接道・道路幅員接道2m、幅員4m
隠れた瑕疵境界境界杭、越境の有無

接道・道路幅員

物件が接道義務を満たしているか確認しましょう。再建築ができるかどうかに関わる重要な項目です。

接道義務を満たしていない場合は、違法建築となるので、物件の価値が大きく下がります。
結果、融資が出なかったり、買えても売却が困難になってきます。

マイソク上では接道義務を果たしていると記載されていても、実際に測量を行うと満たしてないケースも少なからずあるので、必ず確認しましょう。


境界

隣地との境界が明確かどうかを確認します。

境界杭がしっかり設置されているか、越境がないかをチェックしましょう。

境界が決まってない、フェンスやブロックが隣地に越境しているということがあれば、隣地所有者とのトラブルが起きる可能性が少なからずあります。

その点も踏まえて、境界杭や越境の有無を確認しましょう。


内装チェック

内装のチェック項目は以下の通りです。
重大な欠陥、隠れた瑕疵、入居者を確保しやすいかどうか、全部の観点を含んでいるのでそれぞれきちんと確認を進めましょう。

カテゴリ観点チェック項目ポイント
内装重大な欠陥ドアの開閉歪みがないか
隠れた瑕疵天井・クロスのシミ雨漏りの痕跡有無
屋根裏雨漏りの痕跡有無
入居の見込み風呂・トイレ別々になっているか
キッチン清潔かどうか
和室の有無和室は基本、不人気
ベランダ物干し竿の有無
洗濯機置き場屋外設置だと不利

ドアの開閉

ドアの開閉がスムーズにできるか確認します。
歪みがある場合、建物自体が傾いている可能性があるため注意が必要です。

歪みが確認された場合は、部屋の端に行ってビー玉を転がしたり、水平器アプリを使って傾きをチェックしましょう。

ここで大きな傾きが確認された場合は、重大な欠陥がある恐れがあるので、場合によってはその時点で物件調査をやめ、購入を断念してもいいかもしれません。


天井・クロスのシミ

天井やクロスにシミがある場合は、雨漏りの痕跡である可能性があります。

雨漏りの箇所を特定するのは困難で、修繕費用も嵩む可能性があります。
この点もぜひ確認しておきましょう。


屋根裏

屋根裏も雨漏りの有無を確認しやすい箇所です。

多くは風呂の天井から確認することができます。
その際に雨漏りの痕やカビなどが見られたら要注意です。

風呂・トイレ

風呂とトイレが別々になっているかどうかは、入居者が物件を選ぶ際の重要な判断基準です。
最近では単身者でも3点ユニットバス(風呂・トイレ・洗面台が一体型)は敬遠される傾向があります。

和室の有無

築古アパートには和室が残っている物件も少なくありませんが、和室は基本的に人気がないことは頭に入れておきましょう。

リフォームでフローリングに変えることももちろんできますが、1部屋10万円以上は恐らくかかるので、その点も踏まえて確認しましょう。

ベランダ

ベランダの状態も必ず確認しましょう。

特に物干し竿が設置できるかどうかは、生活の利便性に直結します。
物干し竿のスペースがない場合は、入居希望者にとってマイナスポイントとなることが多いです。

洗濯機置き場

洗濯機置き場の位置は、屋内か屋外かで入居者の評価が大きく変わります。
屋外設置の物件は不利になることが多いため、屋内に洗濯機置き場を確保できるか確認してください。

特に、ファミリー層や女性の単身者には屋内設置が好まれます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
物件調査は「購入後の失敗を防ぐための重要なプロセス」です。

内見時には外観や内装だけでなく、法令違反や周辺環境も念入りにチェックしましょう。

また、現地に行く前に路線価や地図を確認し、自転車で周辺を見て回ると物件の状況がより把握しやすくなります。

物件選びに失敗しないためには、これらのチェックポイントを押さえ、慎重に判断することが大切です。ぜひ参考にして、良い物件を見つけてください!

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