不動産投資で失敗しないために!収入と支出のリアルな内訳を徹底解説

物件管理・運営

皆さん、こんにちは!
サラリーマン大家のむさしです。
本ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

ここに来られている方の多くは、不動産投資に興味を持っている方だと思います。
ただ一方で、こんなことも感じているのではないでしょうか?

  • 本はたくさん読んだが、いまいち一歩踏み出す気になれない
  • 色々と勉強したが、それでも抜け漏れがないか不安
  • 金額が大きいため、リスクが怖くて踏み切れない

不動産投資は不労所得を得ることができ、成功すれば経済的自由や時間の自由を手に入れられる本当に素晴らしい投資、事業だと思っています。


確かに投資である以上、リスクも当然ありますし、金額も大きいので、一つのミスが致命的になる可能性があるのが不動産投資です。

しかし実際のところ、不動産投資はめちゃくちゃシンプルです。

つまるところ、以下の3つを押さえておけば、不安に悩まされることも少なくなると考えています。

押さえておきたいポイント
 ・収入の仕組み
 ・支出の全体像
 ・リスクヘッジの手段

特に不動産投資においては、これら3つの内容がほぼ決まっているため、「知ってさえいれば」拍子抜けするほど簡単なものです。


たまに「1年に10棟!」みたいにすごい勢いで買い増す人もいますが、恐らくそういう人のほとんどは、この「勘どころ」みたいなのものを掴んだ人だと思います。


こういうのはやはり経験で学ぶ側面ももちろん大きいのですが、座学的に抑えることで、見えてくる・理解できるものも多いです。

そのため、この記事では、

  • 不動産投資は実はめちゃくちゃシンプル
  • 不動産投資で発生する「収入」「支出」「それぞれに影響するリスク要因」

を知ってもらうことで、少しでも多くの方に、不動産の世界に足を踏み出す勇気を与える一助にしてもらえればと思います。

不動産投資における「収入」

収入の全体像

まず、収入についてお話しします。
不動産投資の収入源は、以下の2つに分けられます。

不動産投資における収入源
 ・家賃収入(インカムゲイン)
 ・売却益(キャピタルゲイン)

この2つだけです。
ただし、売却益は物件を売るときだけの話であり、売却を繰り返して利益を出していくスタイルは上級者向けです。

そのため、まずは「家賃収入」の確保が重要になります。 それぞれ詳しく見ていきましょう。

家賃収入の仕組み

家賃収入は以下の式で決まります。

  • 家賃収入 = 賃料 × 戸数 × 入居率

収入については、これだけ押さえておけば問題ありません。

そして賃料は地域の相場で大体決まってくるものなので、「戸数を増やし、入居率を高める(空室を減らす)」ことが、不動産投資においては最も大事なポイントになります。

以下の例を見てみましょう。

1Kアパート(8戸)の例
 ・賃料:4万円
 ・空室:2部屋(入居率75%)

この場合、1年間の家賃収入は次のように計算されます。

(4万円 × 8戸) × 12ヶ月 × 75% = 288万円

もし満室であれば384万円/年稼ぐ力がありますが、2部屋空室が出ていることから、288万円になっています。 残り2部屋を埋めれば96万円/年の収益アップです。

基本的に、この空室を埋めることで収益を高めていくのが、不動産投資です。

もちろん部屋をリフォームして賃料を上げるということも可能ですが、空室を埋めたり、新しい物件を購入(戸数を増やす)して収入を増やす方が手っ取り早いので、賃料アップはあまり考えなくて大丈夫です。

上述の通り、収入の部分において最も大事なのは入居率ですが、 この入居率を高める上で重要となるのが、管理会社です。

そして、この入居率を高める上で鍵となるのが、管理会社の選び方です。 「いかに空室を埋めてくれる優れた管理会社を見つけるか」が、不動産投資の成否を大きく左右します

管理会社については別の記事で詳しくまとめていますので、よろしければ以下もご参考ください。
・管理会社の見極め方と上手な付き合い方

売却益の仕組み

次に売却益についてです。 売却益は、購入額より高く売ることができた場合に、得られる収益です(厳密には異なるところもあるのですが、ここでは割愛します)。


高く売れる(売却益が出る)パターンは、大きく分けて以下の2つです。

高く売れるパターン
 1.エリアの価値が上がり、高く売れる
 2.物件の価値を上げて、高く売る

1. エリアの価値が上がり、高値で売れる

都心部の不動産投資によく見られるパターンです。 取り扱う金額が大きい(1億円以上)ことが多いため、成功すると短期で数千万円単位で儲かります。

でも逆に失敗すると取返しがつかないリスクがあります。 エリアや相場などを見極める目利きが必要なので、このやり方は上級者向けです。

2. 物件の価値を上げて、高値で売る

一方でこちらの方法はシンプルで、再現性があります。 物件の価値、というと小難しいですが、簡単に言うと空室の多い物件を安く買い、満室にして高く売るということです。


空室が目立つ物件は買い手がつきにくいですが、満室であれば少々価格を上げても売却できる可能性が高まります。 不動産投資においては、物件の価値=入居率といっても過言ではありません。

これらのことを考えると、まずはインカムゲイン(家賃収入)を主軸に置き、資産がある程度回った段階で必要に応じてキャピタルゲイン(売却益)を狙う、という投資スタンスが、最も安定すると思っています。

不動産投資における「支出」

支出の全体像

支出について、大きく以下の6項目に分類されます。

支出項目の全体像
 1.ローン返済
 2.管理料
 3.AD(広告費)
 4.修繕費
 5.共用部の維持費
 6.税金

なお、支出の総額は概ね以下のように計算されることが多いです。

支出の総額 = ローン返済額 + 家賃収入の20%      

例えば、家賃収入が1,000万円、ローンの返済比率が50%だと仮定すると、次のように計算できます。  

1,000万円(家賃収入) ー 500万円(ローン返済)ー 200万円(諸費用)=300万円(手残り)

ただあくまで概算なので、入居状況や建物の構造・規模によっては手残り(特に諸費用)が変わってきます。 それぞれ詳しく見ていきましょう。

ローン返済

支出の中で最も大きな割合を占めるものがローン返済です。 返済比率は50%前後に抑えることが、一つの目安となります。


もちろん、低ければ低い方が良いですし、そもそも現金で買う場合にはこの点は考慮の必要ありません。

なぜ50%かというのは上述の通り、他の支出(管理料・修繕費・固定資産税など)に20%程度かかるからです。


返済比率50%であれば、残りの支出20%を差し引いて、30%が手残りとして残ります(所得税等の税金は除く)。

一方で新築の区分マンションですと、返済比率が90%に近い条件で融資を受けるケースもあります。

しかし固定資産税などを加味すると収支が良くてもプラスマイナスゼロ、悪ければ赤字になる可能性があります(私は最初の物件は区分マンションでしたが、買った後に収支が赤字になることに気づきました)。

利回りの高い物件が良しとされる理由

利回りの高い物件は、ローン返済比率を抑えやすいという点で優れています。

高い利回りが見込める物件であれば、たとえある程度、融資の条件が悪くても、高い家賃収入が見込めるので返済比率を抑えることができます。

逆に利回りが低い場合、返済比率を抑えるには金利を下げたり借入期間を延ばす必要があります。 それでも返済比率が7~8割などと高くなってしまう場合は、潔く購入を見送る判断が求められます。

何よりも重要なのは、返済比率をいかに抑えるかです。 そしてその目安は50%前後と認識しておくと、大きな失敗は避けられるでしょう。

管理料

管理料は、入居者対応で管理会社に支払う費用です。 相場としては家賃収入の5%程度で、この費用で以下のような業務を依頼できます。

管理会社に依頼できる業務
 ・入居者からの問合せ対応
 ・更新手続き
 ・その他の入居者管理

賃貸業務における面倒なことは、ほぼ全て代行してくれるので、管理会社があることで不動産投資が「不労所得」として成立していると言っても過言ではありません。

そのため、管理会社は不動産投資において最も大事なパートナーともいえます。

管理会社とは何か?良い管理会社の見極め方については別記事でまとめていますので、よろしけれご覧ください。

管理会社の見極め方と上手な付き合い方

ADとは入居付けの見返りとして賃貸会社(≒管理会社)に支払う費用です。 Advertisementの略と言われています。

  • ADの概要
    • 相場:賃料の1カ月分
    • 支払:入居が決まった時点で管理会社に支払い

賃料の1カ月分が相場で、入居が決まったタイミングで支払います。ただ家賃収入からの差し引かれる形で処理される場合が多いです。

通常は管理委託している管理会社が入居付けしてくれますが、別の管理会社が客付けしてくれることもあります。 なお、空室を早く埋めたいときは、オーナー判断でADを上乗せすることもあります(私は3ヶ月分まで出したことがあります)。

多くの管理会社は、管理料からの売上だけでは経営していくのは難しいので、このADにより収入で経営を成り立たせています。

なお、ADについても記事を書いていますので、よろしければ以下もご覧ください。
ADとは?大家なら必ず知っておきたい用語と相場観などについて詳しく解説します

修繕費

修繕費は、建物や部屋の状態を維持・改善するための費用で、大きく以下の3つに分けられます。

  1. 原状回復
    • 退去の度に実施
    • 0円~30万円程度(敷金で賄えるケースもあり)
  2. 突発の修繕
    • 年に数回程度
    • 10万円程度(ただし火災保険が使えるケースが多い)
  3. 大規模修繕
    • 10~20年に1度実施
    • 200万円弱
      • ※金額は、私が所有している木造アパート 2DK×6戸の例にしています。

原状回復

まずは原状回復ですが、入居者の退去頻度や部屋の状態によって費用は大きく異なります。

例えば、長期間入居者がいた場合や空室が続いた場合、修繕費が高額になることもありますが、逆に状態が良ければ敷金でまかなえることもあります。

原状回復に費用をかけすぎないための基準

原状回復、または部屋のバリューアップにどの程度お金をかけるべきかは悩みものです。

ただ大事な視点としては、投資である以上、かけた費用に対して何カ月で回収ができるのか?という投資の視点を持つことです。

少し乱暴かもしれませんが、自分が住むわけではないので、必要以上に費用をかけることはするべきではありません。

このあたりの許容幅は人によりけりですが、 私の場合は家賃の3ヶ月分(ADを含めたら4~5か月)以下を一つの目安として持っています。

もちろん、フローリングの張替えなどを行ったり、そもそも空室期間が長すぎて全面的にリフォームしないといけない場合は、 これ以上に費用は掛かります。 (風呂・キッチンなども入れ替えると100万円程度かかることもあります)

そのため、絶対の基準ではないですが、投資の視点を忘れないためにも、その部屋から生まれる家賃で、何カ月で回収できるかを考えながら、3ヶ月を超えたら掛けすぎでは、と思うようにしています。

ちなみにですが、入居が安定していれば退去も起こらないので、これらの費用もあまりかかりません。 (ありがたいことに、私の2024年の実績だと各アパート10万円もいきませんでした)
ですので、そもそもの話になってしまいますが、いち早く満室経営を目指すことが大事となってきます。

突発の修繕

これも築古のアパートなどにはよく起こります。
故障の例としては、以下が挙げられます。

  • 突発的に発生する修繕の例
    • 給湯器の故障
    • 配管の凍結
    • エアコンの故障
    • 共用部の照明の取り換え ・・・など

なお、これらはあくまで一例で、不動産を持っていると予期せぬ対応に見舞われることがたまにあります。 (私の場合、ハチの巣の除去なども行いました・・・)

これらの修繕は突発的なものなので、ある意味気を付けようがないのですが、リスクヘッジの手段はあります。 火災保険です。

既に認知は広まってますが、火災保険は火災以外でも適用できます。 火災・落雷・風災・雪災・水濡れなど、契約内容にもよりますが、保障される範囲は結構広いです。

経年劣化を除く、自然現象による故障は概ねカバーされるという認識で違いないので、 何かしら突発的な修繕が発生したら、まずは火災保険の適用を考えましょう(うまく適用できれば、これらの費用も微々たるものにできます)。

  • 修繕費を抑えるポイント
    • 火災保険 を活用すると、自然災害による修繕費が削減可能
    • 投資の視点 を持ち、回収期間を意識して費用をかける

大規模修繕

アパートの場合ですと、外壁塗装が主に考えられます。 (RCだとエレベーター改修などがあるのでしょうが、私は知見がないのでここでは割愛できればと思います・・・)

塗装メーカーが色々と基準を出していますが大体10~20年を目安に実施するのが良いとされています。

購入した物件が、しばらく外壁塗装していないようであれば、どこかのタイミングで実施することを検討した方がもいいかもしれません。

正直、塗装をしなくてもアパート経営をしていくことは可能なのですが、放置していると何だかんだ修繕費が嵩みます。 外壁が剥がれて直さざるを得なかったり、雨漏りが起きたりなど・・・。

私はこれに嫌気がさして、所有物件2棟を一気に外壁塗装したのですが、塗装してから1~2年、突発の修繕は驚くほどなくなりました。

これまでの修繕が、全て外壁が原因なのかと言われるとわからないのですが、それでも効果は実感しています。

加えて、アパートの見た目が圧倒的に良くなりました(これが一番大きいです)。
築40年の物件なのに、家賃の1割アップが実現できたほど、バリューアップが見込めます。 売却益を得る視点でも外壁塗装はありな選択です。

とはいえそれなりの金額がかかるので、アパート運営が落ち着いたタイミングで検討でいいかもしれません。

共用部の維持費

共用部の維持費としては、主に以下が挙げられます。

共用部の維持費(木造アパートの場合)
 1.照明などの光熱費
 2.定期清掃の代金
 3.浄化槽のメンテナンス費

RCの物件ですと、これにエレベーターの点検費用などが入ってきますが、私は詳細がわかりかねるのでここでは割愛したいと思います(すみません!)。

なお1、2については大した金額ではありません。 数千円/月くらいの金額感ですし、定期清掃については実施しない選択肢もあります。

(とはいえ清掃を行わないと、入居者の不満に繋がるので、個人的にはやった方が良いかなと思ってます)

3の浄化槽については、そもそも浄化槽がない物件であれば、費用としては掛かってきません。 ただ地方の物件ですと、浄化槽が設置されているケースもありますので、その場合は定期点検と清掃費用が掛かってきます。

なお、浄化槽の定期点検は年4回、合計で2~3万円程度、清掃は年1回、2~3万円程度。 アパートの規模にもよりますが、年間の費用としては5~10万円くらいになるでしょう。

浄化槽の詳細については、以下の記事にまとめていますので、よろしければご参考下さい。

税金

さて、不動産投資を行う上で大家を悩ませる支出、税金です。 賃貸経営において、発生する税金は主に以下の通りです。

賃貸経営で生じる主な税金
 ・固定資産税
 ・所得税/住民税

固定資産税は建物と土地の価値に応じて課税されます。

建物ついては、RC>鉄骨>木造の順に価値が異なります。 土地については、「地価×土地面積」で概ねの価値が決まります。

ですので、都心のRC物件ですと固定資産税は高くなりますし、 地方の木造アパートであれば、安くなります。

ちなみに私の場合は、北関東に200㎡の土地+築35年以上の木造アパートをいくつか所有していますが、 いずれも年間5万円程度の金額感で済んでいます・

固定資産税については、物件購入時の契約書類の参考資料として、課税証明書が大体添付されていますので、購入時にきちんと確認して、 ランニング費用の目安を立てましょう。

そして「所得税/住民税」についてですが、決算書上で利益が出ると課税されます。

日本は累進課税制度をとっているので、利益が出れば出るほど課税率が高まります。そのため、なるべく帳簿上の利益を最小に抑えることが、 手元のキャッシュを増やすことに繋がります。

帳簿上の利益を抑える手段は様々ですが、代表的なものとしては減価償却費の計上があげられます。

特に木造の築古アパートですと、物件の取得価格の25%を4年間に渡って費用計上できるため、非常に大きな節税効果をもたらします。 (ただ減価償却が切れた後、どうするかはよく考える必要があります)

なお、税金廻りについては専門的な内容になるので、詳しくは税理士へ相談、少なくとも書籍を読んで最低限の知識を勉強することをお勧めします。

ちなみに以下の本はわかりやすく、節税のポイントを説明してくれているので、節税の仕方について知りたい方は読んでみるといいかもしれません。 (少し古い本ではありますが、普遍的な内容が多いので、初心者にはおすすめです)

ちょっと待った!! 大家さん! 不動産投資では賢い節税がたんまりお金を残す秘訣です!! ~今すぐ知っておきたい《アパマン経営の税金》のツボ59~

リスクヘッジの手法

さて、問題はこれら収支を脅かすリスクに対して、どうヘッジしていくかです。

たぶんここが不動産投資を理解させにくくしているポイントの一つだと思います。

ただリスクは見えないからリスクなのであって、その要因と対策がわかっていれば怖くありません。 ここではそれぞれの収支に影響するリスク要因とその対策について、挙げていきたいと思います。  

「収入」におけるリスク要因と対策

まずは収入におけるリスクとその対策についてです。

それぞれをまとめると、以下の通りとなります。

  • 収入におけるリスク要因
    • 空室の発生
  • 対策
    • 購入前に、立地について管理会社へヒアリングを行う
    • 実力のある管理会社に客付けを依頼する

なんだかこれだけ見ると薄い内容に見えてしまいますが、ちゃんと解説します。

さて、不動産投資における収入は「家賃収入」と「売却益」の2つであると述べました。 そしていずれの収入を上げる手段として大切なのは、満室経営を目指すことともお話しさせていただきました。

ですので、「収入」において、最も気をつけなければならない点は、空室を埋められるかどうかということに尽きます。

部屋が埋まらなければ、家賃収入は得られないですし、空室が目立つ物件はアパート市場でも価値が下がり、高い価格で売り抜けることも難しくなります。

ですので、やはり不動産投資においては、いかに空室を減らし、満室経営を目指せるかということに尽きてきます。 ここでは、空室が発生してしまうリスク要因について、解説できればと思います。

空室リスクは「立地」と「管理会社の実力」の2点で大体説明できる

タイトルの通り空室が生まれてしまう要因としては、「立地」と「管理会社の実力」の2点がほとんどを占めます。

もちろん、部屋のリフォームをしっかり行うなどは大事で、そこは大前提の話なのですが、 そもそも人がいない、人気のないエリアでは、どれだけ頑張っても限界があります。 また、たとえ立地が悪くなくても、管理会社がお客様に物件を紹介しなければ、当然埋まりません。

感覚的には立地が5~6割、管理会社の実力が2~3割、残りが大家の努力、という感じで空室状況が決まってくイメージです

物件選定時に管理会社へヒアリングを行うことで、リスクを回避する

ただいずれのリスクも回避できる方法が一つあります。 それはシンプルに、管理会社3社に物件のヒアリングを行うことです。

これで立地の見極めや、実力ある管理会社の選定を同時に行うことができます。立地についてですが、やはり土地勘のない場所を見極めるのは、そう簡単ではないです。 特に不動産投資の経験がないのであれば尚更です。

しかし地元の管理会社は違います。 長くその土地に根差していることから、どのエリアは埋まるかどうかの当てはすぐにつきます。 我々が想像している以上に詳しいです。

駅の近くに行けば、大体何件か不動産会社があるので、臆せず飛び込んで聞いてみましょう。 不動産オーナーは管理会社にとってお客様なので、邪険に扱われることはあまりありません。 (そのような会社は、候補から外すべきです)

「このエリアの物件を購入検討している」
「買えた暁には管理会社をつけるつもりなので、入居付けについて、聞かせてほしい」

こう言えば大体、話を聞いてくれます。
そこで実際に購入物件のエリアや間取りについて話し、客付けできそうかどうか、聞いてみましょう。

(ただし、購入物件のマイソクを見せるのは仲介会社や売主へのマナー違反なので、基本的には見せず、もしくは物件名や住所の詳細は伏せた上で聞きましょう)

大体3社に聞けば、そのエリアの特性や物件の良し悪しが見えてきますし、色々とその地域の特性について教えてくれます。

  • 管理会社が教えてくれるエリア特性
    • どんな産業があるエリアか(大手企業や工業地帯の有無など)
    • 近隣の生活環境(スーパーの有無、国道からの距離など)
    • その物件の間取りの需要 ・・・など

こういった基本的なことはもちろん、オーナーでは気づかない視点やアドバイスをくれる管理会社は良い管理会社と言えます。 また管理会社としても、埋められない物件の管理を任されても困るので、 埋める自信がなければ、率直にその旨をいう管理会社が多いです。

ですので、このヒアリングを通して、 物件の「立地」、及び「管理会社の実力」の見極めを行うことで、「不動産投資における収入」のリスク回避を行うことができます。

なお既出ですが、管理会社の見極め方については以下の記事でまとめているので、よろしければご参考ください。

管理会社の見極め方と上手な付き合い方

また上記と比べると軽微ですが、家賃滞納も収入リスクの一つとして挙げることができます。 ただこちらは保証会社を入れることで回避できます。

家賃滞納の対策については、過去にまとめた記事がありますので、こちらも是非参考にしてください。 (個人的には、保証会社は絶対に入れた方がいいと思っています)

家賃滞納も怖くない!?保証会社を使った安心の賃貸経営術

「支出」におけるリスク要因と対策

支出においては以下6点を挙げてましたが、リスク要因として挙げられるのは、赤字にしている2点で、その対策法は以下の通りになります。

「支出」におけるリスク要因
  1.ローン返済
  2.管理料
  3.AD
  4.修繕費
  5.共用部の維持費
  6.税金
・対策
  ・孤独死保険や特約付与など、保険を充実させる
  ・減価償却費の計上を事前にシミュレーションする

既に述べている部分もありますが、それぞれ順番に解説していきます。

突発的な修繕には、火災保険などの適用を

既に述べているところでもありますが、アパート経営をしていると予期せぬ修繕に見舞われることが多々あります。

配管凍結、給湯器の故障、網戸の破損くらいであれば、10万円以下くらいで済むので、そこまでダメージは大きくありません。 (そして通常の火災保険で大体はカバーできます)

ただ、リスクとして特に大きいのは、孤独死やポンプの故障(受水槽がある場合)です。

入居者に応じて、孤独死保険の加入を検討する

孤独死や自死が起きたとき、発見が遅れると悲惨です。

特殊清掃が必要になり、費用は数十万円に及びます。 自死の場合はもちろん、孤独死でも特殊清掃が入ると告知義務が発生するので、入居付けが非常に困難になります(平たく言うと、事故物件となるので、家賃も大きく下がることが多いです)。

そして、場合によっては隣の方の退去などにも繋がるケースもあります。

そのため、スポット的な出費もですが、その後の家賃収入にも影響があるので、大家としては大変です。 ただこちらも対策は打てます。

孤独死保険の加入です。

孤独死保険に加入すれば、遺品整理費用や原状回復費用、プランによっては家賃損失などの補填もしてくれます。

ただし、当然保険料などのコストも嵩むので、入居者の属性に応じて、加入の有無を決めていくのが良いと思います。

なお、孤独死保険には入居者が加入する入居者型のものと、大家が加入する大家型のものに分かれます。 下記のサイトに解説されているので、参考にしてみると良いでしょう。

大家さんの孤独死保険、どう選ぶ?|家主型と入居者型の違い

なお、単身者が多い、且つ家賃を低めに設定している場合、 アパート全体で事案が起きるリスクが高いので、その場合は家主型がおすすめです。

一方、上記にあてはまらないが、高齢者の方が入居することになった場合は、孤独死保険の加入を条件に入居をOKとするような 個別に判断して、入居者型に加入してもらうのが良いでしょう(管理会社と連携した上で決めるのが良いと思います)。

ポンプの故障には火災保険の「建物電気的・機械的事故特約」でカバー

受水槽のある物件ではポンプが付いています。
(受水槽がない物件では、この章はスキップいただいて大丈夫です)

このポンプが壊れると大変です。

まずアパートやマンションに水が行き渡らなくなるので、すぐに直さなければなりません。 そして軽い修繕で直ればいいのですが、ポンプ交換となった場合、その費用は数十万、世帯数が多ければ100万円以上になることもあります。

それだけ大きな金額にも関わらず、すぐに交換しないといけないので、早急に購入の決断を迫られます(酷い業者だとそれを見越してボッたくることもあります)。

そして、通常の火災保険ですと、こういった機械・電気的な故障はカバーされないので、 特約に入ってない場合は、全て自費負担となります。 こうなってしまうと、大家としてはかなりショックが大きいですよね。

ただ、火災保険の特約「建物電気的・機械的事故特約」に加入していれば、こういった事故にもリスクヘッジできます。

ポンプ以外にも、落雷でブレーカーが壊れた、などの事故にも対応できます。 ただこの特約はそれなりの保険料がかかってくるので、特約の加入は必要に応じて判断するのが良いでしょう。 (少なくとも、ポンプがなければ入らない、と私は判断しています)

減価償却費が切れたときの税金対策

不動産投資を行う上で、避けて通れないのが税金対策。
そして節税を行う上で、最も重要になるのが減価償却費の計上です。

減価償却費は簡単に言うと、建物の取得費用を複数年に分けて少しずつ経費として計上できる費用で、 1,000万円で取得した木造アパート(土地費用を除く)であれば、4年に分けて毎年250万円を費用計上することができます。  

※不動産投資における減価償却の詳細については、以下記事を参照することをおすすめします。   (不動産の減価償却とは?初心者向けに仕組みや計算方法をわかりやすく解説

実際のお金の支出が伴わず、大きな費用計上を行うことができるので、非常に大きな節税手段です。 しかし、築22年以上の木造アパートを取得した場合であれば、原則4年までしか償却期間が取れないので、それ以降は費用計上できません。 つまりは利益が大きく出て、税金がかかります。

もちろん稼いだお金を国や地域に税金として納めて貢献する、という考え方もありますが、 儲けることを目的として不動産投資を始めているのであれば、なるべく多くの現金を手元に残す努力もしていきたいですよね。

ただこれについては、火災保険のような救済的な対策はないので、 新たな物件を購入する(減価償却できる物件を増やす)、別の節税対策を行うかのいずれになるかと思います。

前者については、新たな物件を買い、減価償却できる資産を増やすことで利益を圧縮する手段です。

ただし、物件を買えば買うほど利益は大きくなるので、更に大きな物件を買う必要があり、減価償却が切れるタイミングでまた物件を買う必要があるので、終わりのない購入の旅になってしまいます(ですのでこのやり方に頼るのは、基本的にはおすすめしません)。

ですので、別の節税対策を行うのが良いでしょう。 法人を設立して経費計上できる支出を増やしたり、個人であれば青色専従者を雇って給料を支払ったりなど、他にも節税手段はあります。

このあたりは税理士に相談するのが良いですが、自分でも知識を身に付けるために、ネットで調べたり本を読むことをお勧めします。

既出ですが、再度以下の本をお勧めしておきます。 いずれにせよ、大事なのは減価償却が切れた後のことも想定しておくことです。
ちょっと待った!! 大家さん! 不動産投資では賢い節税がたんまりお金を残す秘訣です!! ~今すぐ知っておきたい《アパマン経営の税金》のツボ59~

まとめ

いかがでしたでしょうか? 不動産投資において重要なのは、「収入」「支出」「リスク要因」を正しく理解して判断、必要に応じてリスクヘッジしていくことです。

以下がポイントのまとめです。

  • 収入
    • 家賃収入を最大化するためには、入居率を高めることが最重要。空室対策には管理会社の選定が鍵となる。
  • 支出
    • ローン返済比率を50%前後に抑え、突発的な修繕費や税金対策を意識して、手残りを最大化する。
  • リスクヘッジ
    • 空室リスクや修繕リスクに備え、管理会社との連携や火災保険・孤独死保険の活用などでリスクを最小化する。

不動産投資は、大きな金額が動くためリスクを恐れる方も多いですが、適切な知識と準備があれば、怖くありません。あと必要なのは、一歩を踏み出す勇気です。

ぜひこの記事を参考に、不動産投資の第一歩を踏み出してみてください。

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